パク・チソン(37)とソン・フンミン(27・トッテナム)が築いた道を、次はファン・ヒチャン(23・ザルツブルク)が歩み始める。
ザルツブルクに所属する韓国代表FWファン・ヒチャンが、UEFAチャンピオンズリーグ初戦で強烈なデビューを飾った。これまでCL予選プレーオフ4試合出場に留まっていたファン・ヒチャンは、“欧州屈指のスター”が集う最高の舞台で、デビュー戦初ゴールを決めた。
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9月18日、ヘンク(ベルギー)をホームのレッドブル・アレナに迎えたグループE第1戦で先発出場したファン・ヒチャンは、前半36分に持ち味のスピードで裏に抜け出し、GKとの1対1を右足で沈めてチームの3点目を記録した。
昨夜伝えられたゴールのニュースに、韓国ファンはただ喜んでいるわけではない。鮮烈なCLデビューを果たしたファン・ヒチャンに、欧州で活躍した先人たちの姿が重なったのだ。
歴代CLで韓国人選手として初めて得点したのは、当時PSV(オランダ)に所属していたパク・チソンだ。2005年5月5日に行われたCL準決勝、ACミラン(イタリア)との第2戦でCL初ゴールを決め、韓国人初の記録を作り上げた。
その9年後の2014年10月2日には、レバークーゼン(ドイツ)でブレイクしていたソン・フンミンがグループリーグのベンフィカ戦でCL初ゴールを記録し、韓国人選手2人目のCL得点者となった。
2人に続いて3人目のCLスコアラーとなったファン・ヒチャンは、現在23歳。パク・チソンは24歳で、ソン・フンミンは22歳で初ゴールを決めた。先人たちとの間に大きな違いはない。
パク・チソンがプレミアリーグの名門マンチェスター・ユナイテッドに移籍することになった秘話は有名だろう。
代表チームで指導を受けた縁から、PSVの監督を務めていたヒディンク監督を追ってオランダに渡ったパク・チソンは、CLに出場した際、当時マンUの指揮官であったアレックス・ファーガソン監督の目に留まった。豊富な運動量で守備にも献身的な姿が、指揮官の心を掴んだという話だ。ファーガソン監督が彼のプレーを見るため、わざわざ現地に出向いたほどでもある。
同じく、トッテナムのマウリシオ・ポチェッティーノ監督は、サウサンプトンで指揮していた時代からソン・フンミンの獲得を狙っていた。
当時のソン・フンミンはサウサンプトンではなくレバークーゼンへの移籍を選択したが、ポチェッティーノ監督はCLでもチームプレーに徹するソン・フンミンを忘れてはいなかった。そしてトッテナムの監督に就任後、念願のソン・フンミン獲得を実現することができた。
ヘンク戦では若い有望株をチェックすべく、イングランドやスペイン、イタリアなど欧州屈指のクラブのスカウト50人余りがスタジアムを訪れていたことがわかっている。
そんな試合でファン・ヒチャンは、自身のゴールに加えて同僚のハットトリックをお膳立てする2度のアシストも記録し、ザルツブルクを6-2の快勝に導いた。
CLでの活躍がファン・ヒチャンのビッグクラブ移籍への布石となれば、そこにパク・チソンやソン・フンミンのデジャヴを感じることは間違いない。
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