3月14日、駒沢オリンピック公園総合運動場屋内球技場にてFリーグ2020-2021ディビジョン1、湘南ベルマーレと立川・府中アスレティックFCの最終試合が行われた。
試合はファーストピリオド2分にフィウーザのゴールで湘南ベルマーレが先制するも、直後の3分に立川・府中アスレティックFC・完山徹一のシュートがオウンゴールを誘い、試合を振り出しに戻す。
湘南ベルマーレは8分に連続して高い位置でボールを奪い、ロドリゴと本田真琉虎洲がそれぞれゴールを決めて、2点リードでファーストピリオドを折り返す。
セカンドピリオド23分には立川・府中アスレティックFC・完山徹一がボールを奪い、内田隼太がゴールを決めて点差を詰めるが、28分に湘南ベルマーレ・ロドリゴがロングシュートを決めてリードを広げる。立川・府中アスレティックFC は3分を残して完山徹一をGKのユニホームで投入しパワープレーを仕掛け、残り6秒で1点を返すが、試合は4-3で湘南ベルマーレが勝利を収めた。
試合後、湘南ベルマーレ・奥村敬人監督は、「けが人が2人いて、14人を登録できずに、12人登録で試合に挑み、ましてや1年くらい勝っていない府中さんが相手ということで、非常に厳しい戦いになると思っていた」としながらも、「久光が選手として登録されている今シーズン最後に試合、登録用紙に久光重貴という名前が入っている最後の試合で、選手たち一人ひとりが彼と接した普段の日々をすごく感じるものがあっただろうし、そのなかで最後まで40分間持てる力を発揮し続けてくれて、なかなか勝てなかった府中さんに勝てたということは、クラブとしてすごく大きなことだった」と振り返った。
試合内容については、「府中さんのストロングポイントをしっかり抑えて、ピヴォ当ての攻撃を遮断することができた。もちろんピンチもあったが、効率の良いカウンターで、しっかりゴールを決めてくれて、基本的に自分たちが有利な状況で試合を進めることができた」と説明した。
また、「感情的にすごく難しい試合だった。今シーズンはコロナ禍で大変だったが、全日本選手権が終わってからのリーグ戦というのは、いまだかつて経験したことがない。2週間空いたことで、どうやってモチベーションを上げていくかが非常に難しかった。そんな状況でも自分たちに消化試合はないし、クラブのポリシーである“最後のゼロ秒まで全力で戦う”ということを選手たちが体現してくれたことに非常に感謝している」と述べた。
今シーズンについて、「順位は去年の5位よりひとつ上がって4位になったが、正直去年の主力メンバーがかなりいなくなり、加入したのは下部組織からの昇格ということで、 “湘南やばいんじゃないか”という下馬評もあった。シーズン一発目の練習のときに、その下馬評を見返してやるという話をし、若い選手も中堅もベテランも全員が、常に向上心を持って一つひとつのプレーに練習から取り組んでくれたことが、満足はできないが、4位という成績につながった」と総括し、さらに続けた。
「とはいえ、最後に久光と会ったときに、”必ず日本一になってください”という言葉を彼からもらって、その目標を達成できていないというのが現状であるし、それを本当に追い続けないといけない。そのためにも、まだまだ彼と一緒に戦いたい。彼は自分たちの心の中にいるし、まだ志半ば、何も達成できていないクラブだと思う。全員で一丸となって、もっともっとたくさんの方々に愛されるクラブを目指して、これからも“最後のゼロ秒まで全力で戦う”集団でありたいと思う」
(文=玉 昌浩)
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