コロナ禍の韓国では20~30歳向けの“チョンセ”融資急増…5年で60兆ウォンも増加

2021年10月23日 社会

韓国の20~30代のチョンセ資金融資が、ここ5年間で60兆ウォン(約6兆円)近く急増していたことが分かった。

チョンセとは、一定額を保証金として渡して家を借りる、韓国特有の住宅制度だ。

10月22日、金融監督院が国会企画財政委員会所属のチョン・ウンチョン議員に提出した資料によると、5大都市銀行(KB国民、新韓、ハナ、ウリィ、NH農協)の今年6月の融資残高は88兆234億ウォン(約8兆8000億円)となり、2017年6月の29兆1738億ウォン(約2兆9000億円)に比べて58兆8496億ウォン(約5兆8000億円)が急増したという。

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韓国金融監督院

全体保証金融資残高のうち、若者層向け融資の割合は60%に達している。特に20代向けの保証金融資残高について、2017年は4兆3891億ウォン(約4300億円)に過ぎなかった額が、今年6月は24兆3886億ウォン(約2兆4000億円)と5倍以上急増している。

そして青年層の家計融資も急増しており、家計負債増加率は前年同期比12.8%で、ほかの年齢層の増加率7.8%を大きく上回った。

チョンセ融資は、総負債元利金返済比率(DSR)算定時、元金返済分を考慮しないなど、相対的に規制水準が低い。

また、青年層の住居支援のため、政府のチョンセ資金支援プログラムが多様に運営され、青年層の需要が相対的に高い。青年層は所得と資産が少ないため、ほかの年代に比べて過度な借金に耐えるには財務健全性が脆弱な状況という指摘だ。

多重債務者(3件以上の金融機関からの借り入れ)でありながら、所得下位の30%、または信用点数664点以下の青年層の脆弱借主の比重は6.8%で、その他の年齢層(6.1%)よりも高い水準だ。所得下位30%の若者層の低所得借主の割合は、今年第2四半期基準で24.1%と、その他の年齢層比べて2倍近い14.4%となっている。

チョン議員は、「青年層の場合、脆弱借主比重がほかの年齢層に比べて高い状況で、金利引き上げなど負債負担が大きくなるほど健全な消費活動が制約される恐れがある」とし、「青年層の家計負債軟着陸のため綿密に動向を点検し、先制管理対策作りが急がれる」と述べた。

政府は、奨学資金融資の債務調整を担当する韓国奨学財団と、金融圏融資の債務調整を担当する信用回復委員会との協約を早急に推進する計画だ。

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